各々の「お楽しみ」を見つける、掘りおこす。日々の物語マガジン。

#1 あっさりぬかる民

昔「ぬかるみの世界」という笑福亭鶴瓶さんと新野新さんが日曜の夜中にやっていたラジオ番組がありました。当時、僕は子どもだったので、後追いで読んだ本などによると番組でファンのことを「ぬかる民」と呼んでいて、ぬかる民の中でも「どっぷりぬかる民」と「あっさりぬかる民」があり、僕はどちらかというと、何においても「あっさりぬかる民」だなと思います。

うちは姉と僕の二人姉弟で、昔はどの家庭もそうだったと思うのですが、父は外で働いて、呑んで、普段はあまり家にいない感じで。基本、母、姉、僕で過ごすことが多く、いろんなものが自分の思うとおりにいかないし、なんやかんやで姉と母主導に。

少年ジャンプを読んでいて、全米で大フィーバーになっている映画「スターウォーズ」がついに日本に来ると知り、これは行きたい!と、たまたま家族で映画を観に行くことになったので、こちらとしては「スターウォーズ」の一択。しかし姉と母は「う~~ん…」。結局、松田聖子の「野菊の墓」になりました。

僕くらいの年齢で、カルチャーに興味のある人生を送りながら、スターウォーズを観に行けていないというのも「あっさりぬかる民」ぽいなと思います。そういう僕の話なので、渋谷系とかの話も、その時代に若者だったから知った話で、めちゃくちゃには深掘りはしてなくて。「どっぷり」は好きじゃなくて、かといって「超あっさり」でもない。というぐらいのものをお伝えできたらいいなと思っています。