各々の「お楽しみ」を見つける、掘りおこす。日々の物語マガジン。

#6 鮎の甘露煮

「おぼろげレシピ」は、オーナカ家の味を両親にインタビューした備忘録です。要点だけ書いたもので、分量はざっくりです。

鮎の甘露煮は、子どもの頃それほど魅力を感じなかったけれど、大人になるにつれて好きになった料理の一つです。姉は「人生最後のごはんは鮎の甘露煮がいいわ」と言っていました(意外!)。こちらは父のレシピ。なかなか作るにはハードルが高いですが、仕出しで作るいつもの分量で聞きました。

まず、鮎を白焼きに。魚串に刺して、業務用の魚焼き器で焼く。右側にあるレバーで高さを変えたり、魚がぶくぶくと焼けるのをじっと眺めたり、母がグラタンを焼いていたなとか、裏返す時めちゃくちゃ熱かったなという思い出があります。

白焼きはしっかり中まで火を通す。
実山椒の大きい枝葉は取っておきます。(冷凍のものを使いました)

大きな鍋(直径50cmぐらい)に焼いた鮎を円を描くように並べる。山椒も入れる。真ん中に湯呑みをおく。これは最後煮詰める時に煮汁を回しかけれるように、穴を崩さないためとのこと。竹の皮があったら鍋の底にをひく。お水はひたひたで。お酒2合ほど、目安はぐるっと1周半。火にかける。まず沸かす。灰汁、泡をとる。あまり煮立たせない。

3回に分けて味付けをする。(1回目)砂糖1周、こいくち醤油1周。ちょっと色をつける程度。1~2時間炊いて、火を消す。途中で鍋をゆする。

砂糖1周の目安。
こいくち醤油1周の目安。
クッキングシートの真ん中に穴をを開ける。

(2回目)火を付ける。味は足さない、初めから濃い味付けにしないこと。煮詰まってしまったら、お水とお酒を追加する。こいくち醤油も少し入れる。弱火で1~2時間煮て、火を止める。

22:00から煮始めて、2:00ごろ2回目が終わりました。ここで休憩、朝に仕上げます。ちなみに我が家では鮎の甘露煮と呼んでますが「有馬煮」という料理です。

朝6:30、火を付ける。お水とお酒を追加。

煮詰まってきたら、たまり醤油を入れて色付け。おたまで煮汁を回しかける。

少し水飴を入れて、照りを出してもOK。鍋の真ん中にスプーン1杯の水飴を入れて溶かす。煮汁に泡が出てきたら、火を止めて出来上がり。このレシピを聞いたのが1年前で、すでにおぼろげですが、じっくり煮ること(焦げないように注意)と、煮詰めた時の色やとろっと感を頼りに、いつかチャレンジしてみたい一品です。