各々の「お楽しみ」を見つける、掘りおこす。日々の物語マガジン。

#1 あじフライ(静岡県沼津・弥次喜多)

しみずーと申します。
さて、突然ですが人生ってほとんど自分の思い通りにはならないですよね。安心してください、そんなに重いことを言いたいんじゃないんです。思い返せば何か意味があったと思える人との出会いも、物や事との出会いも、ほとんどが「はからずも」だったりしませんか?良い意味で。私はそうです。

横尾忠則さんの作品を初めて見たのも、NHKの深夜のラジオを聞いたのも、大学で広告サークルに入ったのも、中退して入ったデザインの学校で素敵な友達と出会ったのも、その友達から「webで記事書いておくんなまし」と声をかけてもらったのも、全て「はからずも」な出来事です。
 
人間ってすぐに忘れる生き物だから、覚えておくために自分の「はからずも」を綴ってみたら面白いんではなかろうかと思いました。自分が。なので、もしよければ、気が向いたら、読んだり読まなかったりしてください。

あっ!でも、これはほとんど食べ物の話になります。なぜか。私は食べることが大好きだからだー!

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先日、静岡県の沼津に行きました。沼津は2回目で、初めて行った時と同じお店でまたご飯を食べたいと思いました。1回行って美味しかった店にまた行く確率って結構低くないですか??近所や地元の馴染みのお店だったらまだしも、それ以外で。

私はここで、真の「あじフライ」とはどういう味かを教えてもらった。いや、教えていただいたのです。

「沼津 弥次喜多」で検索すれば、すぐにわかります。有名なお店なので開店前すでに待っている人もちらほら。開店と同時にお店に入ることができたのですが、ここからの道のりが短いようで意外と長い。なんせ迷うんだ。

あじフライやエビフライ、ひれかつなどの揚げ物の定食と、お刺身などとセットになっている定食があるんですが、めちゃくちゃ迷う。

もし一人で来たら、ボリュームもあるから、たぶん1種類しか食べられない。色々食べられる弥次喜多定食や魚河岸定食、松竹梅とかにしたいけど、がっつりあじフライに向き合ってみるのも悪くないかもな~…ひれかつも自慢なの?いや、フライ美味しいんやったら、とんかつ類絶対美味しいやん。いや待って。落ち着いて壁もよく見て。しらすおろしやカキフライ単品とかも貼ってあるやん?私なんで一人で来たん??こんなすごい食欲を一人で背負うなんて酷すぎひん?丼もあるやん。なんで…一人…(泣)と、とたんに孤独に苛まれることになるので、やっぱりここは二人以上で行きたいところです。個人的に。

無事注文が終わったら、箸をスタンバイ。いや待てよ?この箸袋、何かあるぞ…

数種類あるー~ー!こういうの、好きだな。

調味料チェック&入念なシミュレーションしてたら来ました。恥。ちなみに、お味噌汁の具はしじみ。もう毎日ご飯としじみ汁とおしんこでいい。うそです。できたらフライも食べたいです。

やったーーーー!!!

あじフライ。これが、あじフライです。見たらわかる。衣…さくさく。軽い。油臭くない。多分衣だけでも美味しい。鯵…ふわふわ。全然臭くない。すごいうまみ。鯵だけでも美味しい。…なんで??いちいち分析したがるが、実際出来てないところが乙女座しみずーの悪いところだよ。

正直このお店に来るまでは、あじフライを注文したことがありませんでした。他に美味しいのあるじゃない?って、鯵がメイン張れるって思わなかったんだもん。でも…他のお店のあじフライもこうだとは限らないから、やっぱりここでしか食べない!

のせてみた。でもすぐに外した。あじフライとご飯の両者に失礼だと思ったからだ。(は…??)

次に来たら、今度は絶対「丼」にするんだ。…って次のこと考えさせる店って、すごいやんな。私もそういう仕事がしたい。(は…??その2)

そうだ。東京に嫁いできて、旦那さんに「連れて行きたいお店がある」って言われて、それで来たお店なんだった。旦那さんと出会わなければ来てないよな~なんて思ってたら、私のおしんこちょっと食べられてた。このやろう。糖質制限するって言ってるのに、おしんこでご飯進ませてどうすんだよ。(言い方がアレですが愛はあります)

というわけで、はからずもディクショナリーの「あ」はあじフライです。ごちそうさまでした。